声筋とは
生命維持において重要な役割を果たす喉の筋肉を指します。
具体的な取り組み
1. 上半身をほぐすストレッチ体操
全身をリラックスした状態にするために、首や肩、肩甲骨周辺の筋肉を意識してストレッチを行う。
2. 呼吸法
口呼吸ではなく「鼻呼吸+腹式呼吸」。鼻呼吸を意識し、喉の乾燥を防ぐ。息止め→「息を止める」「息をこらえる」を10~15秒を目標に3セット。
風船ふくらまし
呼吸や嚥下をスムーズに行うためのトレーニング。
ニャーオ法
猫のあくびがお手本。あくびをすることで、喉頭が開き、声帯の緊張がゆるむ。5回実施。
3. 発声トレーニング(声筋トレーニング)
ハミング法
口を閉じ、鼻に声を響かせる発声法、いわゆる“鼻歌”10秒を3セット。
の⤴の⤵発声法
「のー」を低音から高音まで、鼻に抜けるように発声。一息で繰り返すことが大事。声筋を伸縮させる筋トレ。10秒を3セット。
あめんぼの歌
リズムよく歌うように読み上げる。
ゆっくりなテンポで口を大きく開きながら。
早口言葉 活舌練習
表情筋と舌の筋肉を鍛える。
ゆっくりと口を大きく開き、舌の動きを意識しながら発声。
※呼吸法・声筋トレーニングを10分間、2~3種類組み合わせて実施。
4. 朗読・音楽療法
朗読
詞の語り聞かせで詞・韻文の美しい言葉を耳から感じて、ご利用者様にも語っていただき、身体からも感じていただく。
古典文学から現代文学まで幅広い作品に触れ、知的欲求を満たしながらできるだけ朗々と読み上げる。
朗読会の主な文学作品
- 古典文学
万葉集、方丈記、枕草子、平家物語、百人一首など - 現代文学
夏目漱石、芥川龍之介、与謝野晶子、斎藤茂吉、林芙美子、石川啄木、宮沢賢治、金子みすゞ、柴田トヨなど
合計1000作品以上 季節などに合わせて週5回以上開催
音楽療法
季節に合った利用者様誰でも懐かしく思う童謡・歌謡曲を中心に利用者様のリクエストの曲にも取り組む。
楽器演奏
鈴やタンバリンなどの打楽器を利用して、振動を感じながら身体でリズムを取る。
音楽リハビリ中、歌いながら手拍子や楽器を使ったり、仲の良いお友達との楽しいひととき
活動の成果と評価
呼吸法・声筋トレーニングを取り入れることで、ご利用者様からは
以前より呼吸が安定して、寝ながら深呼吸すると寝つきが良くなったわ
前より声が出るようになった!
声を出すようになって体調が良くなったら、胃薬を飲まなくてよくなった!
と感想をいただき、個人差はあるが、ご本人が実感できる効果が見られている。
取り組みを通じての一番の成果は、ご利用者様が笑顔になれる活動ができたことである。利用者様同士で会話も弾むようになった。音楽を通じて、癒し・感動・達成感を体感していただき、心身の健康や機能維持がみられた。
なにより、
ここに来ると、元気になる!
と言っていただいたことが最大の成果と感じた。
「話題にしたい新聞の記事」や「歌いたい曲の楽譜」や「歌詞の一部の手書き」などを持ってきてくださる積極的な方が増えてきた。
元気になりたい!!!
という向上心が芽生え、活力があふれてきているように思う。
今後の課題
これからもご利用者様お一人お一人が楽しんで元気に取り組める質の高い内容で生きがいにつながるような活動に作り上げていく。